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(現実)
眼が覚めると案の定、体が痛かった。昨日の仕事の結果だ。弁当屋に行っておばちゃんとしばし談笑して、
帰ってメシ食って、もうやることが無い。ネットがつながらないのは、やはり不便だ。メールとテレビ欄しか見ないから、
不便という程のもんじゃないんだけど…。
なんというか、つまり、今オレは大変にヒマなのだ! しかも、金は全然ない! 例えば田舎がある人で、
田舎へ帰ってもヒマでしょうがない!というのがあるが、こんな感じなのだろうか? だから田舎の人はセックスに明け暮れて、
子供が多いんじゃないだろうか?
「なぁ、いいだろう?」
「そうね、しましょうか」
なんて具合に…。
(空中都市)
長谷川のアパートに着いた。部屋に入るなり、例の2人組は言った。
「なんか酒ねーの?」
オレはすかさず
「ほら長谷川、ボヤッとしてないで」
「これ高いんだよね」
と訳の解らない銘柄のブランデーを持ち出した。
「まぁ、なんでもイイや、乾杯」
といってビールやら焼酎やらも一緒に飲んだ。
「なんかツマミとかねーの? ウチら乾きもん、とかイヤだかんねっ!」
ったっく近頃のガキは…。
「カンベンしてよー、もう!」
と言いつつ、長谷川はうれしそうに冷蔵庫から小さな缶詰めに入った黒い物体をもってきた。
「コレ、キャビアじゃねーの? オメーどうしたんだ、これ?」
一同どよめく。
そして、そのキャビアをカールのカレー味につけて一口で食った。すると2人組みは
「なんかウマくねーな。このツブツブ、キモクナイ?」
と語尾を上げて言った。そしてそのキャビア付きのカールを長谷川自慢のプラモにぶつけ始めた。
ガシャンと音を立ててその中の1つが転げ落ちた。それはガンキャノンで首が折れていた。
「あっ!オレのガンキャノンがー!」
「ガンキャノン?知らねーつうの!」
2人組みはそう言ってバカ笑いした。長谷川の耳は真っ赤になって、目にははっきりと殺意が表れていた。
オレはこいつはキレると相当ヤバイぞ!と思い、(まぁまぁ長谷川ちゃん!ここはひとつ穏便に)と言ってグラスを差し出した。
「ウチらもう帰るわ」
てめーら!ざけんじゃねーぞ!と、凄みたかったがオレが怒っても迫力がないのはよく解っているので…
「なぁ、もうちょっといろよ、なぁっ」
と情けなく顔色をうかがった。2人組の内の1人が
「じゃ、もう1人、呼んでイイ?」
といった。
「それ男?」
「女に決まってるじゃない」
と急にオンナっぽい声を出した。
「おー呼びなよ!呼びなよ!」
まあオマンコはそのコが来るまでお預けだな。オレもイイ大人、そして、どちらかといえば紳士。そんなにガツガツすることはあるまい、
と自分に言い聞かせた。30分ぐらい経ってガンガンとドアを叩く音が聞こえた。よっしゃー来たな!どんなコだと思いドアを開けると、
そこには一目でカタギじゃないと解るコワイオニーサンが立っていた。
アチャー!どうりで上手く行き過ぎだわ。美人局かなんかか?コンチクショウ!と思ったが、まぁ、いざとなったらこっちは4人だし、
なんとかなるか?と思った。
「オソーイ」
と2人組み。
「おー、悪りぃ悪りぃ」
と言って、コワイオニーサンはカバンからオロナミンCを2本出して、そのコ達に放り投げた。
「アンチャン達もワルだねー、一本いっとく?」
コワイオニーサンは意外にフランクだった。そして、オレら4人それぞれにオロナミンCと西友のビニール袋を配った。
みんなフャイト一発オロナミンCを食らってすっかりヘロヘロになった。
そしてコワイオニーサンは注射器を出して、アメリカ映画のジャンキーがやるように、
腕をパンパン叩いて血管を浮き上がらせると、ブスリと針を腕に突き刺した。
「あー極楽極楽」
と言ってやっと落ち着いた様子だった。それから
「これもあるよ」
と言って大麻を取り出した。思い切り吸って肺に溜め、息を止めてとか、イロイロとジャパ・ネット高田のように実演してくれた。
そして2人組は長谷川のプラモ用ラッカーやら塗料もグチャグチャに混ぜて吸ってしまった。しばらくすると酒とオロナミンCと大麻と
プラモのラッカーでみんな眠ってしまった。オレだけ、どうにも眠れなかった。流石にこんなことやっててもしょーがねーな、
という気になった。酔ってフラフラして足元もおぼつかなかったが意識はハッキリしていたし、幻覚も幻聴も無かった。
あるとすれば、さっさとこんなとこから帰れ!ということだった。
それでトボトボと1人で自分のアパートに帰った。
帰ってきてからカップラーメンを食ってゲップをすると、思いっきりトルエンの臭いがした。
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