『Run Rabbit Run』 トップページへ戻る
第16話:田中と松田






(空中都市)
 現場にいた。また新入りが入ってきた。金髪にピアスというイケメンの若者だった。 ミクスチャーのバンドで、早口で唄っているらしかった。スリップ・ノットやらデフ・トーンズやら 311の話で一見会話は盛り上がったように見えたが、なんだか疲れてしまった。なにせ10以上歳が違うのだから無理もない…。
考えて見ればオレはリンプのフレッド・ダーストと同い年だ。随分境遇は違うが…。どっちにしろリンプ!レイジ!と はしゃいでる場合じゃないのだ!まぁ、なんかあったらコイツも利用してやろうと思った。
そいつの仕事ぶりは、いたって熱心だった。なんというかスレてないとゆうか…。人生や生活の疲れを微塵も感じていないとゆうか…。 10時の一服タイムが終わって仕事に戻る時

「さぁ、がんばりましょう!」

と肩まで叩かれた。いいなぁー若いって…。

(現実)
 やれやれ、今日は12時間も働いた。

「ぶっちゃけ、どーせ帰って寝るだけなんでしょう? 残業してくださいよ!」

とバイトのエラそーな奴に言われた。失礼な!帰って寝るだけじゃねーよ! その前に酒も飲むつーの!
そして明日も残業らしい…。それにしても最近どいつもこいつも、ぶっちゃけ、ぶっちゃけ、 うるせーよ!もう二度とぶっちゃけないでくれ!わかったか!

(空中都市)
 オレは昼飯が終わって金髪の若者(田中)に正義の味方ビジネス?の話を、ちょっと説明した。

「いいっすねー!それ!かっこいいっすよ!」

と言った。

「自分の知り合いにIT系つーか、ムチャ詳しい奴がいて、そいつにホームページとか作らせたらいいんじゃないっすかねー。 ウチらのバンドのホームページとかも作って貰ってるんすよねー」

これは乗らなきゃ損だ!と言う訳で…

「今夜、長谷川の家で集会があるから、オマエそいつ連れてちょっと来いよ」

「集会?なんか族みたいっすねー」といって笑った。

「…まぁ、とにかく来いよ」

仕事が終わり別れた。そして長谷川の家でダラダラしていると、田中が1人の顔の青白い青年を連れてきた。 そいつは松田といった。荒井がお茶を差し出すと、全く目を合わさずに

「あっ、どうも」

とボソッと言った。 そして、おもむろにパソコンに向かうと、カチャ、カチャ、となにやらやり出した。

「なにしてんの?それ」

「今、ホームページの基礎をつくってます」

一同しばし雑談…。

「いちおうベースは出来上がりました」

その後、セキュリティーとか、自作サーバーとか、アドレスとか、パスワードとか、 アクセス件数による収益がなんとかとか、長谷川のパソコンのスペックとか、サイトに侵入するハッカーとかの話を イロイロと説明しだした。もちろん理解している者は1人もいなかった。ただポカーンと口を開けて聞いていた。すると荒井が言った。

「なんかハリウッド映画みてーだな」

「ハイ!」

といってジャッキーが手を挙げてから、こう言った。

「ボクノクニノ、ペルシャジュウタンモ、ソノホームページデ、ウリマショウ」

どいつもこいつもゲンキンな奴らだぜ!とオレは思ったが…

「それはイイですね。カモフラージュの会社というか、表向きにそういうことにしておくのはいいアイデアだと思います」

「ハイハイ、もう好きにしろ」

みんな既に松田の話しに飽きていた。そこでとりあえず、お開きとなった。

(現実)
 あー、つまんねー。好きなことだけ、とっととやりつくしたら、さっさと死にてーよ。 どーせオマエらはイイ人でオマエらは親切で、全くありがとよ。その調子ならきっと天国に行けるよ、がんばれ!がんばれ!

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この物語について 作者について 携帯電話への配信申し込み
第1話:空中都市 第6話:新宿とタモリ 第11話:キャビアとオロC 第16話:田中と松田 第21話:一本でもニンジン
第2話:ポークソテー結婚式 第7話:どらえもんと妄想 第12話:被疑者確保 第17話:ライブハウス 第22話:おでんとホモ
第3話:死ね!アルゼ 第8話:長谷川とバスガイド 第13話:演説 第18話:打ち上げ 第23話:火星のキョンキョン
第4話:テレアポとボルト 第9話:クリスマス 第14話:客 第19話:ラブホとリベンジ 第24話:スタンガンでさらば
第5話:馬糞ウニとジャッキー 第10話:研修初日と演歌 第15話:ストーカーとオヤジ 第20話:エスカレート 第25話:ラン・ラビット・ラン