『Run Rabbit Run』 トップページへ戻る
第18話:打ち上げ






(現実)
 別に職業差別なんかする気は無いが、こーいう仕事のこーいう職場にいる奴らは、どこかが壊れているような気がしてならない…。 どこが?何が?といわれるとハッキリとはいえないのだが…。完全に何かが欠落しているような気がする…。 だから、どこが?何が?といわれても、やはりよくわからないのだけれども…。
日の当たる休憩室でボンヤリとタバコを吸っている人達を見ていると『カッコーの巣の上で』とか『K-PAX』で精神がイカれた アホウ達をついつい連想してしまう…。

 それはそーと、ジジイがまたゴネだした。もうジジイ、ババァーの愚痴は沢山だ! (この際ハッキリさせておく!オレは年寄りとブスが大キライだ!) 自転車漕げばいいんだろ?漕げば!ハイハイ漕ぎますよ!漕げばイイんでしょ?小出監督!
大体、負い目を感じたら人間だめだね、やっぱし。食わせて貰ってる、働かせて貰ってる、何々して貰ってる、 あの人は何々してくれた、何々してくれない、何々してやったから何々して貰わなければ…。
そもそも誰もが何かや何処かに属さないと生きていけないんだろうケド…。恋愛においても“惚れたら負けよ”なんつーぐらいだから…。 金があれば全て解決するのか? 貧乏人は頭と体使えか? じゃー貧乏でバカで不健康な奴はどーすんだ? 全くややこしーもんだ。
それにしても人間が多いから戦争になるんだろ? あと食料不足とか資源が足りねーとか?だろ?

 今いる奴らだけで資源を食い潰したら、世界平和で仲良く丸く収まって、働く必要もないんじゃないのだろうか? あとは最低限でやりたい奴にやらせて、他は何にも生み出さず、食って、ヤって、寝るだけ。
パソコンいじって遊んでるエセ自称クリエイターなんて焼き殺しちまえばいいのに…。何作ってんだか知らねーけど、 最近どいつもこいつもクリエイターだ! 全く“石を投げればクリエイター”状態だ…。
あとよくわかんねーけど、ガキ作ったら死刑とか…。こんな世の中に生まれてきたってしょーがねーじゃねーか? どーせ夢も希望もねーんだろ? あっても叶いやしねーんだろ? 生き甲斐とか、やりがいとか、本当に感じたことはあるのかい?
世界は広いがアンタはちっぽけなんだろ? 人間の能力は計り知れないかもしれないが、 アンタにはそれを示す必要も力もねーんだろ? 学校で勉強したことが今まで役に立ったか? 僅かな借金も返せねーんだろ? みんな死んじまえ! そう思いません?思わねーか…。

(空中都市)
 田中のよく行くクラブとやらに、ゾロゾロとアホづらを抱え付いて行った。入り口でも田中は「ワッツ・アップ」などと、 ライブのテンションそのままに入って行った。そんで拳と拳を合わせたり、ハグしたりしていた。 そして入り口のデカイ黒人のセキュリティーが田中に話し掛けると「OK・OK・クール!」といって逃げるように店に入っていった。 (なんだよ!喋れねーなら、ワッツ・アップ言うな!) それにしてもオレたちは、やっぱり間違いなく浮いていた。
田中は、ここでもよくモテた。(ケッ!おもしろくねーの!)
バーテンダーが田中の友達らしく、タダで結構な量の酒をサービスしてくれた。そして浴びるようにガンガン飲んだ。 途中そのバーテンダーが身の上バナシのようなことを始めようとしたが、誰も聞いていなかったので止めた。 
田中は両手に女を抱え、ジプシー・キングスで踊っていた。「ジョビー!ジョバー!」などと大声を張り上げていた。 一気に“ブラザー”からラテン系に変身した田中は、口にボールペンを咥え両手を打ち鳴らした。

他の奴もフロアに消えていった。オレは、(やっぱ帰ればよかったかなー?)と、カウンターにあるモニターに 写るジョン・トラボルタをボンヤリ眺めていた。 そこへ、ショートカットの女が現れた、一瞬、夢かと思って、飲みすぎた頭を振ってみた。が、そうでは無いようだった。 しっかり、そこには、女がいた。(どうせ田中のファンかなんかだろ?)ウンザリだ。

「田中なら向こうだよ」

グラス片手にフラフラとそう言った。

「エッ?田中?誰それ?」と言ってゲラゲラ笑った。

「何?なんか用?」

「えぇー、何それぇー。なんか用はないんじゃないのぉー。ここイイ?」

「なんだよ、もう座ってんじゃねーか」

「ハッハッハッ!」

証明も暗くてよく見えなかったが、そのコはとてもキレイに見えた。ラッキーと思いつつ、 その後、何を喋ったのかは、音響と酒のせいであまり覚えていない。そして、とりあえず電話番号だけ聞いておいた。 生きていればイイこともあるのもんだなー、としみじみオレは思った。そして荒井が寄ってきた。

「んじゃ、そろそろ帰るべ」

「あれ松田は?」

と長谷川が気付いた。どこを探してもいない。そして松田は置いて帰ろー、ということになった。 その前に、ションベンだ!とオレは便所に行くと、ドアのカギが閉まっていた。ノックをしても、いっこうに返事が無い。 もしや?と思い店員を呼んでドアを開けさせると松田がゲロまみれになってそこで寝ていた。 バーテンのサービスのチンザノで、すっかり酔い潰れてしまったようだった。

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この物語について 作者について 携帯電話への配信申し込み
第1話:空中都市 第6話:新宿とタモリ 第11話:キャビアとオロC 第16話:田中と松田 第21話:一本でもニンジン
第2話:ポークソテー結婚式 第7話:どらえもんと妄想 第12話:被疑者確保 第17話:ライブハウス 第22話:おでんとホモ
第3話:死ね!アルゼ 第8話:長谷川とバスガイド 第13話:演説 第18話:打ち上げ 第23話:火星のキョンキョン
第4話:テレアポとボルト 第9話:クリスマス 第14話:客 第19話:ラブホとリベンジ 第24話:スタンガンでさらば
第5話:馬糞ウニとジャッキー 第10話:研修初日と演歌 第15話:ストーカーとオヤジ 第20話:エスカレート 第25話:ラン・ラビット・ラン