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(現実)
眼が覚めた。例の巨乳アイドルは出てこなかった。やれやれ今日も面接だ。
前の仕事は何をやってたか?とか、パソコンのスキルがどうのとか、ゴチャゴチャと聞かれた。
ついでに一般常識やら適性検査やらもやらされた。漢字なんてひとつも書けなかった。
漢字なんて無意味だと思わないか? いったい何の役に立つのか? しょうもない面接試験ぐらいだろ?
んで面接官は女だった。ブスか?かわいいか?と聞かれれば、まぁ、かわいいんだろうけど、
どんな顔かと尋ねられたら、もうすっかり忘れてしまった。まぁ、そんな程度のもんだ。
でも面接中に勃起した。そして最後に
「粗品です」
とネズミの絵が施されたマウスパッドをにっこり渡された。
「ありがとうございます」
アホか! ったく粗品にもほどがあるぜ! 外に出たらベンツに乗った女がこっちをチラッと見た。
“アンタなんか用なしよ!”
と言われてるみたいだった。まぁ確かに用は無いが…。
腕には高そうな時計、毛皮のコートを羽織ってバックミラーで化粧を直していた。
それにしても金持ちっつーのは、よう解らん。
通りに出ると路上ではなにやらJAZZトリオが演奏しているようだった。ソプラノサックスが
ケタタマシク悲鳴を上げ、ウッドベースがブンブン唸りを上げ、ドラムは16ビートっぽい
ファンキーなのも叩いてた。なかなかHOTな演奏だったので、ポケットから20円を放り投げて帰ってきた。
途中でスーパーに立ち寄った。カキフライ弁当が半額だった。270円だった。20円足りなかった。
よし! それならステーキでも買って素敵な気分になってやろうと思った。
アメリカ産ステーキ200g350円だった。しかたないから結局となりの豚肉にした。
こうなりゃポークステーキでちょっとでも素敵な気分になろうと思った。
ちなみにそのポークステーキは自分でもびっくりする程旨かった。味付けは醤油とニンニクと塩、
胡椒だけだ。よく料理番組でやってるのを見よう見真似で、包丁で肉をガンガン叩いて
塩コショウで下味をつけ、最後に肉汁と共にニンニクと醤油でソースもどきを作ってそれをかけるだけ。
しめて199円。明日の分もある。麻布あたりでメシ付だったら1,200円はとれそうだ。
外食なんてクソだぜ!ゲロだぜ! あー、だんだん主婦っぽくなってきた。寝よ。
眠くなーる、眠くなーる、アーナタはだんだん眠くなーる。羊が一匹、羊が二匹。
段々まぶたが重くなーる…。
(空中都市)
という訳で、オレは例の空中都市にいた。
なにやら今日は、空中都市では結婚式のようだった。
しかもオレの嫌いな元後輩の友達の結婚式だ。 そいつには2回しか会った事が無いし、
名前すらよく覚えていない。まぁ早い話しがカッコつけの人数調整だ。
やれやれ面倒な用だと思い、ここはひとつ泥酔することに決めた。
ご祝儀には、道でかわいこちゃんから貰った居酒屋の割引券を入れておいた。
インチキ牧師が出てきて病めるトーキも健やかなるトーキも、なんてのが終わってから、
前に来た洒落た喫茶店だかレストランだかで、キャビアだかフォアグラだかイロイロ出てくるんだけど、
はたしてコレを本気で上手いと思ってる奴はいるのだろうか? 前菜は生のカタツムリと芋虫だった。
むしろそっちが上手かった。オレの知らない友人代表の奴が出てきて
「夫婦に必要なものは三つの棒、つまり辛抱、人望、肉棒」
などと言って失笑をかっていた。そのころオレはビールやらシャンパンやら葡萄酒で、
すっかり出来上がっていた。
んでもって花嫁が後ろを向いて花束を投げる儀式で、一斉にブスどもが豚足をバタバタさせて、
それに飛びついた。しかも花をとったのは、中でも飛びきりのブスだった。
「どうしよう、次アタシ結婚しちゃうかも」
などとブヒブヒ言いながら、のた打ち回ってる。
「どうにでもなれ!」
誰もがそう思った。
あと、アメリカ式だかイタリア式だか、なんだか知らねーが、
普通はオープンカーかなんかに空き缶とか引っ付けて新郎新婦は式場を後にするんだろうけど…、
なにしろここは、空中都市。チャリンコに空き缶をつけてガラガラと音を立てて猛スピードで坂を下っていった。
そして途中でそのチャリンコはその坂から転落した。ありゃ間違いなく死んだなー。
そう思ったが誰も気にしている様子はなかった。そりゃーそうだ300M落下じゃ助けようもない。
それにしてもイイ大人が空中都市だなんてなんか変だな。まぁ、いいっか。
そしてそのままウンコの荒井とかと酒を飲み続け予定通り泥酔した。
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